法制度が撤廃された今も階級意識が根強く残るイギリスでは、今でも社会階級によって話される言葉が違うのをご存知でしょうか。
ハリーポッターでハーマイオニーが上流階級の発音(RP English)、ハリーが中産階級の発音(エスチュアリー)、ロンが労働者階級の発音(コックニー)でそれぞれ話していることは有名ですが、それは決しておとぎ話の世界だけの話ではありません。
ちなみにここでいう上流階級とは、主にかつての世襲貴族の流れを汲む、イギリス社会の支配階層のこと。彼らはパブリックスクールと呼ばれる名門校で支配階層になるための専門教育を受けるのですが、そこで伝統的なRP Englishを徹底的に習得させられるといいます。
そのためイギリス社会ではRP Englishが権威や教養の象徴として捉えられていて、法律では階級制度の撤廃された今でも社会的地位の高い職に就くためにはRPを習得しなくてはなりません。
なのでイギリスの歴代首相はほぼ全員RP話者ですし、例え労働者階級の出身であったとしても有名になるにつれてRPに発音を矯正する人も居ます(ベッカム選手など)。
イギリス社会ではそれだけ信用レベルの高い発音なので、私たち外国人がイギリス英語を習得する場合も、まずはRPを意識して学習したほうが良いでしょう。
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まずはジョンソン首相を参考に
私が正統なRP Englishの話者として最も参考にしているのが、現職の英首相ボリス・ジョンソン氏です。ひょうきんな道化やくだけた政治スタイルで一躍有名になったジョンソン氏ですが、実は彼、パブリックスクールの名門イートン校からオックスフォード大学に進学しているイギリスの典型的な上流階級エリートだったりします。
こちらは2020年4月、ジョンソン首相がコロナウィルス感染対策のため国のロックダウンを行った際の有名な声明演説です。少し聞いただけで、私たちが学校で習ってきたアメリカ英語とは全く異なる話し方をしていることがわかります。
具体的にはrの巻き舌を発音していなかったり、よりはっきりとした口調で話していたり。それに彼自身の声のトーンが低いこともあり、RPらしい権威的で落ち着いた調子に磨きがかかっていますよね。
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なのでこれからRPを学びたいという方や、アメリカ英語からRPに発音を矯正したいという方は、とりあえず彼の話し方を真似してみて、RPに慣れることから始めると良いと思います。
また発音だけでなく、一見ふざけているだけのように見える彼の挙動にはイギリス人らしいウィットが必ず含まれているので、イギリス的なコミュニケーションを学ぶ上でも絶対に見逃せない人物なのではないでしょうか。
首相という仕事柄メディアで発言する機会も多いので、BBCの公式チャンネルなどで過去のインタビューをチェックしてみましょう。
