イギリス英語とアメリカ英語の違いを聞き比べてみよう ボリス編

イギリス英語とアメリカ英語が違う、というトピックを昨年の記事で紹介しました。では具体的にどれほど違うのか。Bloombergの公式チャンネルに両者の違いが分かる良い動画がありましたので紹介したいと思います。

動画は現英首相のボリス・ジョンソン氏がロンドン市長在職中、EU離脱についてニューヨークの報道チャンネル「Bloomberg」のキャスターと対談するというもの。

ボサボサ頭で失言を連発する日頃の行いからは想像し難いのですが、ボリス・ジョンソン氏は上流階級の子弟が通う名門パブリックスクール・イートン校からオックスフォード大学に進学しているイギリス屈指のエリート。日本の学歴に例えると、開成から東大コースと幼稚舎から慶応コースを足して2で割ったようなイメージでしょうか。

そんな彼はパブリックスクールで、英国紳士の必須条件ともいえる「RP English (容認発音)」を、マナー教育の一環として徹底して叩き込まれているはず。更にオックスフォード大学での専攻が古典であることから、典型的なイギリス上流階級英語の話者とみていいでしょう。

いっぽうの「Bloomberg」のキャスターは典型的なニューヨーク英語を話すアメリカ人。私たちが学校で習ってきた英語なので、多少テンポが速くとも違和感なく聞き取れるのではないでしょうか。

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ここで注目したいのが、キャスターのアメリカ英語をジョンソン氏がやや怪訝な表情で受け止めている点。イギリス人はイギリス流の発音への拘りが強く、他国の訛りを素直に受け止められないといいますが、英国人としての自我が殊更強い彼もまたアメリカ英語に違和感を覚えたのでしょう。

キャスターのアメリカ英語も綺麗で親しみやすいのですが、どうしても元祖としてのプライドが拭えないようです。

この記事を書いた人

『TRANS JOURNAL』編集者。神奈川県出身。京都外国語大学外国語学部卒。在学中に中国・上海師範大学に留学。卒業後は製紙会社などに勤務。なお、ここでの専門はイギリス。パンと白米があまり好きではなく、2020年にじゃがいもを主食とする生活を目指すも挫折する。