サバの切り身で狙う沼津のぶっこみカサゴ釣り 静浦漁港編

パックフィッシャー、それは、一本のモバイルロッドに全てを託した至高の釣り人。愛用のトラギアを片手に、日本全国、いや世界を釣って回ります。目指すはモバイルロッドの釣り図鑑?身近な水辺で繰り広げられる、ポケモンGOさながらの冒険をお楽しみください。

カサゴを求めて春の静浦へ

桜の咲く4月上旬。気温は20度近くまで上がる日も多くなり、関東地方はいよいよ春本番に突入する。しかし、季節がひと月ほど遅れて到来する海の中はまだまだ冬の陽気。本格的な陸っぱりシーズン開幕まではもう少しの辛抱だ。

ところが、あまり釣れない季節と分かっていても釣行を我慢できないのがアングラーというもの。なんとか釣れる魚種とポイントを洗い出し、ついつい海へと足を運んでしまう。

今日も何を釣りに行こうかと悩んでいる時にふと思い出したのが、カサゴという魚のこと。カサゴは根魚の一種で、年間を通して沿岸の岩場でじっと過ごしている。市場では1キロ二千円を超える高級魚だが、釣りの世界では堤防からでも気軽に釣れるありふれた存在だ。身エサなどのブッコミ釣りで腰を据えて狙うことになるので、暖かくなった今がちょうど釣りやすい季節と言えるだろう。

買いたてだったTRGR FOUR’Z 944MLを使いたかったこともあり、早速ながら海へ向かうことにした。

5:26

今回カサゴを釣るために訪れたのは、静岡県沼津市の静浦漁港。言わずと知れたカゴ釣りのメッカだが、カサゴやハタなどの根魚のストックも豊富だ。早朝からの漁港入りだったが、この日もアジやマダイを狙うカゴ師たちが等間隔で並んでいた。

今日のタックルはジェット天秤の投げ1本と、ゴム管付中通しオモリのブッコミ1本。エサは投げがアオイソメ、ブッコミはスーパーで買ったサバの切り身を使用する。

静浦漁港の外海側は、手前30m付近までケーソンが沈められていて根掛かりが多発する。だからこそ根魚のストックが豊富なのだが、天秤仕掛けで狙うと即根かがりするので、そのゾーンは極力シンプルな仕掛けで狙いたい。近投は中通しオモリ、遠投はジェット天秤で投げ分けるのがいいだろう。

5:35

静浦漁港は水深のある港としても有名で、50m投げれば水深は30mに到達する。投げ釣りでは普段出会えない魚と出会えるのもこの釣り場の魅力だ。

朝マヅメ、手前20m付近に投げていたサバ餌に頻繁にアタリが出た。スーッと勢いよくラインを持って行く様子からカサゴだろうと想像できるが、なかなか鈎掛かりしない。がぶりと餌に喰らいつくイメージのカサゴだが、実はエサを何度もつっつく習性がある。つつくだけならいいのだが、エサを移動させて根掛かりを頻発させるのが厄介だ。

6:45

最初に入ったポイントでは根掛かりによるロストが絶えなかったので、場所を堤防右翼の先端に変更。西郷島と堤防のため潮の流れが複雑で、多くの魚種の住処となっている好ポイントだ。

6:50

開始一投目、堤防のカケアガリを意識してサバを投入すると、すぐに色の綺麗なカサゴがヒット。

カサゴはそのいでたちから魔物を除ける縁起物として重宝されることがある。いわば沖縄のシーサーのような存在だ。体はいかついながら顔は非常に澄んでいるのも、縁起物として扱われる理由なのかもしれない。

7:13

そして沖へ投げたイソメにもカサゴがヒット。水深30mの深場から上がってきたカサゴは更にいかついいでたちだった。

鋭い背鰭の棘には毒がありそうだが、普通のカサゴに人体に有害な毒は無い。しかしカサゴとよく似たイソカサゴやハオコゼ等には棘に毒があるので扱いに注意したい。

9:22

結局この日は9時半までの短時間で4尾のカサゴをキャッチできた。内訳はサバ3、イソメ1。やはり根魚のカサゴにはサバの切り身が効くようだ。遠投のイソメでは定番のベラも登場し、今日は楽し釣りになった。夏には大型のハタも登場する釣り場なので、時期を見てもう一度来てみようと思う。

8:59

静浦漁港のメインはカゴ釣りだが、堤防の先端付近は複雑な潮流のためフカセ釣りの好ポイントとなっている。この日も常連の方が35cmほどのメジナをコンスタントに釣り上げていて、静浦漁港の魚影の濃さを目の当たりにした。急峻な山肌に咲く山桜を眺めながらのフカセ釣りとは風流そのものだ。

静浦漁港にお越しの際は駐車スポットに注意したい。漁協の方が好意で釣り人用の駐車スペースを設定してくれているので、車は必ずその場所へ。満車の場合は速やかに他の釣り場へ移動するように。

トイレは漁港入口付近の公園へ。ほか、漁協内にカップラーメンの自販機あり。

今日のタックル


今回のカサゴ釣行では、トラギアシリーズの使いやすさを改めて実感した。900番台の2.8mというロッド長も絶妙で、堤防からの投げ釣り、ブッコミ釣りに最適といえる。都市近郊の気軽な釣りに自信を持っておすすめできるシリーズだ。

▼ロッド1 TRGR FOUR’S 944ML

定番モバイルロッドのトラギアシリーズに4pcs版が登場。継ぎ目の少ない美しいカーブと高い遠投性能を実現した。TIPTOPと比べるとハリが強く、先調子のため堤防からの投げ釣りに最適な1本。

天秤を使用したシロギス釣りはもちろんのこと、胴突の投げカワハギにも絶大な威力を発揮するだろう。4pcsなのでバックに収納しきることはできないが、手で持ち運ぶなら苦にはならない。投げ釣りでの適合オモリは10号。

▼リール CardinalⅡ SX2000

アメリカの老舗釣具メーカー、アブガルシアの定番リール。高いコストパフォーマンスとクラシックなデザインが特徴。特筆すべきは替えのスプールが付属する点で、2種類のラインを1台のリールで使用することができる。コンパクトな釣りを極めたいなら持っておくべきリールだ。

TRGR FOUR’Sとの相性も良く、投げ釣りではストレスなく使用することができた。

▼ロッド2 TRGR TIPTOP S906ML

こちらは継ぎ目の多い従来のトラギア。仕舞寸法は53cmとバックにすっぽり入るサイズ。継ぎ目が多いのでフォーズと比べよくしなり、磯竿のように使うこともできる。投げ釣り、ウキ釣り、ミャク釣りと、釣りを選ばない万能コンパクトロッドだ。

よくしなるので、根際に突っ込む大物も上手くやりとりすれば鈎外れすることなく上げられるだろう。夏場、この竿でイシダイ釣りに挑戦することを企んでいる。

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魚肉ソーセージで狙う神奈川・金目川のハヤ釣り ウグイの味噌焼き編

http://transjournal.jp/archives/4668

この記事を書いた人

パックフィッシャー、それは、一本のモバイルロッドに全てを託した至高の釣り人。三浦、湘南、伊豆、沼津をフィールドに、コンパクトな釣りを綴っています。