東伊豆/伊東・宇佐美港の投げ釣り モバイルロッドで狙う真冬の大判カワハギ編

パックフィッシャー、それは、一本のモバイルロッドに全てを託した至高の釣り人。愛用のトラギアを片手に、日本全国、いや世界を釣って回ります。目指すはモバイルロッドの釣り図鑑?身近な水辺で繰り広げられる、ポケモンGOさながらの冒険をお楽しみください。

意外な穴場?宇佐美で投げ釣りという選択肢

駿河湾・沼津への釣行が暫く続いていたので、久々に東伊豆方面に行きたくなってきた。しかし、東伊豆の海は沼津の海と違い、水深がそれほど深くない。水温の低いこの時期は魚が深場に溜まっていることを考えると、東伊豆方面への投げ釣行は避けるべきと考えるのが常識だ。

しかし、それでも何故か気になる漁港が東伊豆に一つあった。その名は宇佐美港。宇佐美は網代の先、伊東の手前に位置する小さな漁師町。東伊豆のなかではとても地味な存在で、135号線を走っていても知らぬ間にスルーしてしまうような集落だ。

だがGooglemapを良く見てみると、そこは潮の対流しやすい形のいい弓型の入江になっていることがわかる。そし入江の中央に位置する長い堤防はちょうど砂地と岩礁帯の分け目にあるので、投げ釣りで多様な魚種を狙うには最高の条件なのではと思われた。沼津程の水深は期待できないが、行ってみる価値はありそうだ。

1月15日 宇佐美港 中潮
干潮 02:10 14:37
満潮 08:59 20:09

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今日は熱海を抜けて宇佐美港へやってきた。かつて幾度となく通った東伊豆だが、ここ宇佐美港だけは来たことがなかった。折角ここまで来たのなら、伊東かもしくは下田方面に行ってしまいたくなるからだろう。だから135号でいつも素通り。でも今日は留田の交差点を左折し、宇佐美の集落へと入った。すると漁港の付け根に綺麗に整備された公園と駐車場が。駐車料金はなんと無料。

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沖へと伸びる宇佐美の大堤防。ポイントが豊富なので、あらゆる釣りを楽しむことができる。なかでもテトラ帯のグレは高実績。マズメには40センチを超えるグレが高確率でヒットするので、密かな人気があるようだ。この日僕がポイントに選んだのは、最も潮通しの良い堤防先端外側のテトラ帯。沖にかけて砂地交じりの岩場が続いているので、投げ五目には最高のポイントだ。

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今日のタックルはいつもと同じ自己流ちょい投げ。市販の投げ仕掛けを使わず、ハリスには根ズレに強い磯用ラインを、針はイソメを刺しやすく丈夫なケン付き流線を使用。根掛かりによる損失を抑えつつ、ちょい投げながら思わぬ大物も仕留められる仕様となっている。

開始時刻は13:30、エサはジャリメを用意。

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一投目からホンベラのメス。姿はキュウセンと似ているが、キュウセンがやや沖合に居るのに対し、ホンベラはニシキベラと共に堤防際に居ついているイメージ。ヘチ釣りでは厄介なエサ取りだろう。冬でもササノハベラとホンベラだけは何故か姿を消さない。その後、下げ止まっていたためかエサを取られるのみ。やはりこの時期の東伊豆は厳しいのか。

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釣れないので内海側へ移動。底はシモリ交じりの砂地。少し前に村越正海さんがTwitterで、シロギスがまだ海岸沿いに居るようなことを仰っていたので試しに投入。

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一投目、小さなメゴチ(トビヌメリ)が掛かった。その後3匹連発。この時期に港内で投げ釣りをする人はほぼ居ないので、メゴチが溜まっているようだ。江戸前天ぷらの高級食材だが、もう少しサイズが欲しいところ。冬メゴチは伊東港で狙ったほうがいいだろう。

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その後、#38 謎のハゼが一匹。模様的にマハゼではない。実は僕、22年間も投げ釣りをしておきながらマハゼを釣ったことが無い。潮通しの良い外海での投げ釣り好む自分と、河口や内湾を生息域とするマハゼの行動範囲が被らないのだ。今度どこかで専門に狙ってみても面白そう。おすすめ河川があれば教えてください。

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はやり内海での釣りは飽きるのでもとのポイントへ移動。ほんの30分の間に上げ潮へと変わり、潮の流れ方が変わっていた。さっきまでは釣れなかったが、この流れ方はチャンスかもしれない。海釣りは潮が命。12月からの連釣でそう実感させられることが多かった。

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沖目60m付近に投げ込むと、魚のアタリが潮止まり前後のときとは全く異なっていることに気付く。ゴゴッと、明らかに活性が高まっているのが分かった。そして3投目、駿河湾で何度か釣ったイトベラが食ってきた。相模灘側には居ないと思っていたが、どうやら生息している模様。

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暫くして、ガガッとひときわ激しいアタリ。巻くと時折根に突っ込むのが分かる。潜られないように早巻きすると、上がってきたのはなんと#39 キュウセンだった。キュウセンは高水温を好む夏の魚。冬になるとパタッと釣れなくなる筈だが、今年はまだ健在だった。今年の海水温は平年より高めなので、まだ浅瀬に残っていたのだろう。暖冬の影響はこんなところにも。

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そして今日もササノハベラがたくさん釣れた。写真はアカササノハベラ。目元の黒線が胸鰭まで下降していることから、ホシササノハベラと区別することができる。ホシササノハベラよりも沖目に生息しているようだ。城ヶ島の磯場でも釣ったことがある。宇佐美港は潮通しが良い証拠?

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東伊豆はウツボが多いので、先ほど釣ったメゴチを泳がせてみたがアタらず。サバやサンマなど、青物系の切り身のほうが臭いもあり良さそう。時刻は16時1分。夕まずめのチャンスタイムを逃さぬように再びエサをジャリメにチェンジ。そして、この判断が転機となる。

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16時3分、ジャリメにつけかえた仕掛けを再び60m付近に投下。僅か4秒で着底すると、すぐに竿先を叩くようなアタリがあった。3秒待って合わせてみると、トラギアが根元からしなる強烈な引き。ミディアムライトの竿がまるでワイパーのように振れている。あまりの引きにハリス切れも覚悟したが、竿を立てると急に大人しくなった。グレでも掛けてしまったのかと思ったが、上がってきたのはなんと大きなカワハギだった。30cmを超すような巨体。横にも長ければ縦にも長い。こんなの船でも滅多に釣れない。

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カワハギが釣れた後、17時まで粘ったがキャッチなし。ほんの僅かな地合いを捉えたのかもしれない。経験上、関東近郊でちょい投げで釣れるカワハギは朝夕マズメに単発で掛かることが多い。昨年末、足保で釣ったカワハギも同じ時間にヒットした。ここまでの釣りを振り返ってみても、昼の時間帯に大きな結果が出たことはあまり無い。やはり海釣りは潮を読み、マズメを中心に釣行するのが良さそうだ。

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この記事を書いた人

パックフィッシャー、それは、一本のモバイルロッドに全てを託した至高の釣り人。三浦、湘南、伊豆、沼津をフィールドに、コンパクトな釣りを綴っています。