パックフィッシャー、それは、一本のモバイルロッドに全てを託した至高の釣り人。愛用のトラギアを片手に、日本全国、いや世界を釣って回ります。目指すはモバイルロッドの釣り図鑑?身近な水辺で繰り広げられる、ポケモンGOさながらの冒険をお楽しみください。
久々の伊豆半島へ
冬の湘南で寂しい釣果が続いたので今日は久々の伊豆へ。12月下旬とはいえ今年も異例の高水温。シロギスか、もしくはカワハギがまだ岸辺に居ついているだろうと当て込んでの釣行です。
8:11(GMT+9)
やってきたのは網代。かのだんご一道で有名なグラント網代店さんでアオイソメを購入し、南熱海マリンホールまで徒歩で向かいます。
グラントさんから歩くこと10分、ホール裏の最も潮通しの良いポイントを確保。休日ながら人気は無く、時折吹き付ける北風が身に沁みます。
8:29(GMT+9)
しかしバケツに汲んだ水を触ると驚くほど暖かい。地上はすっかり冬ですが、海の中はまだ秋の様子。ルリスズメダイなど、暖かい海に棲む魚がテトラの脇で乱舞しています。これは期待大。
一投目は多賀方面に向けて遠投。着底から2、3回しゃくるとすぐにガツンと大きなアタリ。すると巨大カワハギを思わせる鋭い引きが竿を締め込みます。
しかしカワハギにしてはよく走り、やがて頭を振るような強い衝撃を感じるように。なんとか近くまで寄せるも物凄い突込みでテトラの脇へと突入します。あわやラインブレイク。恐ろしい。
数分の格闘の末浮いてきた魚にはキラキラ光る長い鰭。魚体の各所を光らせながら暴走する様子はまるでDQNの改造車のよう。長年ちょい投げをやってきましたがこんなのが掛かったのは初めてのことです。
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8:45(GMT+9)
あまりの重量に抜き上げを断念し、テトラ下から素手で引き上げました。正体は#64 イトヒキアジ。もともと暖かい海に棲む南方系の魚ですが、夏から秋にかけて相模灘にも10cm前後の幼魚がやってきます。
8:48(GMT+9)
沖縄などで釣れる成魚は1mを超すこともあり、いわゆるGTの一種としてルアーフィッシングの対象魚にもなるそうです。しかしここは12月下旬の網代。どう考えてもこのサイズのイトヒキアジが釣れるのはおかしいのではないでしょうか。
東京湾でブリが釣れるようになったことを喜ぶようなルアーマンよりも、東京湾からカレイやアイナメがいなくなってしまったことを嘆く投げ釣り師でありたい。。
— 茸本 朗(たけもとあきら) 「野食ハンターの七転八倒日記」好評発売中! (@tetsuto_w) December 8, 2020
漁師と釣り人だけは海洋温暖化に目敏くあらまほし。
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茸本さんも言及されていますが、東京湾では冬なのにお台場や横浜でブリが爆釣するなど、今年の海はおかしいことだらけ。数年前の真鶴におけるアカハタの出現、イワシ類の減少に始まり、地球温暖化の影響が目に見える形で現れてきたように思います。
冬場の海水温が上がるということは魚の活性も上がるということなので、釣り人にとっては喜ばしいことなのかもしれませんが、海や環境に与える総合的な打撃はきっと大きいはず。
東京湾もブリの登場によりコノシロやサッパが撃滅され、湾奥のスズキが減るなどの変化が心配です。時すでに遅し?
12:31(GMT+9)
ちなみに、持ち帰ったイトヒキアジは美味しく頂けました。アジながらカワハギに似た身質は煮つけや刺身にうってつけ。余った身はお茶漬けやアラ汁にしてもいいかもしれません。
ジグでも狙えて釣り味的には面白いと思うので、釣りたいという人は水温が高い今のうちに。