パックフィッシャー、それは、一本のモバイルロッドに全てを託した至高の釣り人。愛用のトラギアを片手に、日本全国、いや世界を釣って回ります。目指すはモバイルロッドの釣り図鑑?身近な水辺で繰り広げられる、ポケモンGOさながらの冒険をお楽しみください。
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海苔が起こした真鶴の奇跡
奇跡を起こしてしまいました。この日は真鶴半島某所へブダイ狙いに。しかし朝からの北東風で海は大荒れ。いつものブダイポイントは波を被り、釣りどころではない状況になっていました。
磯際では大きなサラシが発生していてグレやヒラスズキ狙いには良さそうですが、日中の穏やかな海で海藻を食べるブダイ釣りには大きなハンデとなりそうです。
10:43(GMT+9)

仕方なしに竿を出したのは、普段なら水深が浅く全く釣りにならない小磯のワンド内。この日は押し浪によってある程度深くなっていたので、普段は食べられない場所にある海藻目当てにブダイが集まっているのではないかと推測しました。
しかし1時間粘るもブダイは全く当たらず。もう帰ろうと残った青海苔を海に撒き、最後の一投を潮の流れに乗せました。すると撒いた海苔に寄ってきたのか、すぐに大きなアタリ。
すかさず竿を立てると、ブダイとはひと味違う強い引きがロッドに伝わりました。どちらかといえば重量感のある引きで、根に突っ込むような勢いはありません。やる気のない大型のブダイが掛かったのだろうと思いましたが、波間に浮いた大きな魚はなんと#67 クロダイでした。
11:56(GMT+9)

引き抜けば間違いなくバレるサイズなので、空気を吸わせて弱らせてから浅場に引き寄せ、自分も膝まで海にINして見事キャッチ。真鶴周辺にも居るとの噂は聞いていましたが、フカセの対象魚なのでまさか海苔で釣れるとは。帰りの運転で事故って死ぬフラグなのでは、と思ってしまうほどの、一生に一度あるかないかの奇跡だと思います。
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クロダイとは?
クロダイとは、北海道南部から台湾にかけての東アジアに分布するスズキ目タイ科の魚。その名の通りタイを黒くしたようないでたちで、見た目の良さから釣りの人気ターゲットとなっています。
11:57(GMT+9)

タイ科の大型魚にしては珍しく沿岸の浅場や河口域、都市部の湾奥などにも生息し、高い適応力のある魚ですが、警戒心が強いため一筋縄では釣れず、紀州釣り、ヘチ釣りなどで専門的に狙うのが普通です。関東のポイントとしては東京湾奥の沖堤でのヘチ釣り、大磯照が崎海岸の渚釣り、三浦方面のダンゴ釣りなどが有名ですが、まぁ狙っても滅多に釣れませんよね。
永遠にクロダイは釣れない pic.twitter.com/DhTTPB9qOA
— [92]づーとぴあ (@zoo_topia0130) August 28, 2020
大磯港にてクロダイ37cm870g。今まで釣れない日々が多すぎて、魚に哀れに思われたのか最近たまたまですが釣れてます。夏が暑すぎて台風多過ぎでしたからねー。 pic.twitter.com/Xnn3HNUJok
— osteria e bar calabria (@calabria_shonan) September 26, 2018
なのでモバイルロッド+海苔での釣果は奇跡としかいいようがないのですが、こうした奇跡が必ず起こるのも釣りの魅力といえるでしょう。
ちなみに、家に戻りサイズを測ると47センチありました。「年なし」と呼ばれる50センチオーバーには僅かに届かず。しかし10年以上は確実に生きている、いわば真鶴の主、とはいえないまでも取締役クラスの個体です。
13:46(GMT+9)

よく大型のクロダイは臭みがると言われますが、湾奥のものとは違い綺麗な海で育っているので刺身にしても臭みは全くありませんでした。それどころかスーパーのマダイをも遥かにしのぐ美味。煮つけにもしましたが、新鮮なものは圧倒的に刺身に分があるようです。
私のような適当な釣り師がこの先味わえることは二度と無いでしょう。