10月25日、イギリスでサマータイムが終了し、冬時間がスタートしました。サマータイムはイギリスのほか、EU諸国や北米などで導入されている日の長い夏季のみ時間を1時間進める制度。
Spring forward,fall back(春に進めて、秋に戻す)
という言葉があるように、イギリスでは毎年3月の最終日曜日の午前1時に時計の針を一時間進め、10月の最終日曜日の午前2時に一時間戻します。これにより夏場は職場や学校から帰宅しても日が長く続くので、使用電力の削減や活動意欲の向上に繋がるとされていました。
日本では敗戦直後に米占領下で導入されていましたが、日本のライフスタイルには馴染まなかったのか、主権回復とともに廃止になっています。
The #ClocksGoBack tonight! (Well, early tomorrow morning) 🕑
Don’t forget to reset yours – we just hope it’s a little easier to put back than our clock…
© UK Parliament/Stephen Pike pic.twitter.com/HpuFWSkqLp
— UK Parliament (@UKParliament) October 24, 2020
効率よくお天道さまのご利益に与れるサマータイムは一見いいことばかりに思えますが、ひとたび導入されると多くの弊害も明るみに出ます。時計の針を動かすのが単に煩わしいばかりでなく、なんと心臓発作を起こす患者が開始直後に急増するというのです。
これは人間の概日リズム、つまり体内時計の狂いによって引き起こされるもの。心臓病以外にも、慢性的な睡眠不足やそれに起因する精神障害などが報告されています。当初期待されていた電力削減などの効果も大したことはなく、欧米では長らくその存在に疑問を呈する声があがっていました。
そして2019年、EU議会はついにサマータイムを2021年限りで廃止することを決議。20世紀初期から続いている欧州のサマータイムは残すところ1回のみとなってしまいました。
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ここで気になるのは、EUを離脱したイギリスも同時にサマータイムを廃止するのかということ。緯度の高いイギリスでは、夏はとても日が長く(夜10時まで明るい)、冬はとても日が短い(15時には暗くなる)ので、欧州諸国よりもサマータイムが支持される傾向があります。
また年中どんより曇ったロンドンで、せめて夏の間だけでも明るい時間を謳歌しようという取り組みでもあるので、そう簡単には廃止できないはずです。もしかすると、来夏からはイギリス夏時間とヨーロッパ標準時が混在することになるのかもしれません。