イギリスの国民食・フィッシュアンドチップスとは 東京で食べるなら六本木のMALINSへ

画面の前の皆さまは、六本木といえば何を連想するでしょうか。六本木ヒルズ、ミッドタウン ・・・アマンドとお答えのあなたは恐らく中高年でしょうし、ホテルアイビスならゆとり世代でしょう。

では何故六本木なのかというと、答えはミッドタウンの前まで歩けば分かります。

夕暮れ時の外苑東通りに突如として現れた怪しい看板。これは間違いなくやばいやつ。

分かる人なら思わずにやけてしまう、あのイギリスを代表するファストフードのお店です。

FISH&CHIPSとはその名の通り、タラなどの揚げた白身魚にフライドポテトが添えられたシンプルな料理。ロンドンには至る所にフィッシュアンドチップスのスタンドがあり、いわば国民食のような存在なのではないでしょうか。

そしてここ六本木のMALINSさんは、1913年にイギリスで設立された英国国際フィッシュアンドチップス協会(The British National Federation of Fish Friers)による正式認証を受けた、日本唯一の専門店。

本場イギリスの味を忠実に再現するために公式レシピを用いているのはもちろん、多くの調理器具をイギリスから取り寄せています。

そしてMALINSさんの強みは強みはなんといっても魚の調達方法。イギリス人のマスター自ら豊洲市場の新鮮な魚を買い付けに行っているといいます。マダラに関しては北海道羅臼産のものを使用しているとか。

高級料亭で使えるような魚をフィッシュアンドチップスで食べられるのは、世界的にもMALINSさんだけなのではないでしょうか。

メニューにはフィッシュアンドチップスのほか、ソーセージやバーガー系の料理も。レギュラーフィッシュアンドチップスは1,404円と安くは無いのですが、注文するとその場で丁寧に揚げてもらえます。またテイクアウトもあり。

店内はこんな感じ。ロンドンのちょっとしたパブのような雰囲気です。イギリスのテーブルマナーでは店内で写真を撮るのはよろしくないので、iphoneのカメラ設定をLIVEモードにして音を控えめに撮影。

本場のフィッシュアンド
チップスと初対面

そして店内で待つこと約5分、人生初のフィッシュアンドチップスとご対面。率直な感想をいうと、想像以上にイギリス料理です (笑)

僕はどちらかというと食に無頓着なタイプで、合理的だからという理由でステンレス鍋の水炊きを常食としていたほどなのですが、そんな僕でさえ引いてしまうほどの味気無さ、寂寥感があります。

それもそのはず、フィッシュアンドチップスはもともとロンドンで建設作業などに従事する労働者が素早く空腹を満たすために考案されたファストフード。


ようは北部の海で採れたタラと高緯度のイギリスでも栽培できるジャガイモを鉄道でロンドンまで運んできてとりあえず組み合わせました、という料理なのです。

そして気になる味ですが、まぁ想像通りというか、どうしてタラをこんな風にして食べるんだという印象。フライドポテトはとても美味しいのですが、それとタラのフライが合っているわけでもなく、納得できないところに妙に納得できる不思議な料理でした。

イギリスにはキリストの死んだ金曜日に、謹慎の意味を込めて味の無いフィッシュアンドチップスを食べるという文化がありますが、確かに食べるだけで謹慎しているような気分にはなれますね。


本場のフィッシュアンドチップスを食べてみて思ったのが、タラをアジやサバなどの青魚に変えたらフライドポテトともマッチしてとても美味しいのではないかということ。一度釣ってきた魚で作ってみてもいいかもしれません。

ただ、それではもちろん本場のフィッシュアンドチップスではなくなってしまうし、美味しくてもわざわざ六本木やロンドンまで来て食べたいとは思わないでしょう。

説明してしまうと、イギリスにはこの料理のために1913年に創られた協会があって、ロンドンからわざわざ理事が来てお墨付きをもらっていて、店主自らこの料理のために豊洲で料亭でも出せる魚を仕入れているというのがマリンさんの面白いところで、存在自体が一種のジョークなのではないでしょうか。

MALINS FISH & CHIPS 六本木店
東京都港区六本木7-12-3 1F-A
営業時間:AM11:30~PM10:00(金・土・祝前日はPM11:00迄)
年中無休
公式ホームページはこちら

この記事を書いた人

『TRANS JOURNAL』編集者なり。神奈川県出身。京都外国語大学外国語学部卒。在学中に上海師範大学に留学。卒業後は製紙会社などに勤務。翻訳もたまに。ここでは興味の赴くままに、イギリス帝国や中国に関する記事を執筆。