小田急ロマンスカー60000形MSE乗車レビュー マルチすぎる特急の驚くべき実力

所用で朝の新宿駅から小田急のふじさん号で帰宅する機会がありましたのでレビューしたいと思います。

ふじさん号とは、小田急線の新宿駅から松田を経てJR御殿場線に直通し、御殿場駅までを結ぶ特急列車のこと。

以前は「あさぎり号」と名乗っていましたが、観光客を集めるために「ふじさん号」に改称しました。

使われる車両は小田急ロマンスカー60000形MSE。MSEとはMulti Super Expressの略で、その名の通り多目的な運用に対応した設計になっています。

箱根への運用はもちろんのこと、地下鉄千代田線直通のロマンスカーから御殿場線直通のふじさん号まで、活躍の場は多岐に渡ります。

地下鉄にもJRにも乗り入れる私鉄の特急車両なんて、他に類を見ないのではないでしょうか。

新宿入線

新宿発のふじさん11号は、地上ホームの2番線から発車します。

ホームには飲み物や軽食が買える売店と、パンやコーヒーを楽しめるカフェも併設されています。

駅のベンチには携帯電話を無料で充電できる電源があるので、待ち時間に充電してもいいでしょう。

出発の約10分前、60000形MSEのふじさん号が入線しました。

MSEには6両編成と4両編成が存在し、両者を繋げて10両編成で運転できるようになっています。

写真は6両編成新宿寄りの先頭車。4両編成を繋げられるよう、断面のような形状になっています。

清掃の時間があるので、小田原寄りの先頭車も見てみましょう。

こちら側は普段は連結をしないので、特急らしい流線形になっています。

なんとなく蟻の頭を連想してしまうのは私だけでしょうか。

車内見学

清掃が終わったので、早速車内へ。

木目がふんだんに使用され、デッキはまるで高級マンションの玄関ような雰囲気。

ふと見上げると、日本車輌のプレートがありました。2007とあるので、製造から13年が経過していることになります。

MSEの製造が発表されたのは私が高校生の頃。小田急が地下鉄直通のロマンスカーを走らせると言い出したときは本気で耳を疑いましたね。

それが今では日常の一部になってしまいました。

客室です。赤のカーペットに木目を多用した内装、高い天井…中国語で「高大上」と言うにふさわしい高級感のある内装になっています。

まるでコンサートホールにクラシック音楽を聴きに来たかのような気分です。

座席はこんな感じ。デザイン性を重視しているのか、かなり薄い造りになっています。

人間工学に基づいて設計されているので、薄くても疲れはしないのですが、やや硬いのかなという印象。

シートピッチは983mmで、EXEの1,000mmよりも狭くなっていますが足元の空間が広いため気にはなりませんね。

テーブルはひじ掛けから出すタイプ。JRの特急は前の座席から倒すのが主流ですので、見落とされがちですがしっかり付いています。

その他、車内には車いす対応のトイレや洗面台、自販機などの設備があります。

洗面台は記事のために始めて使ってみましたが、まるでデパートのトイレのようで例外なくお洒落でした。

神は細部に宿るといいいますが、洗面所まで抜かりなく宿してくるところにロマンスカーにかける小田急のプライドを感じます。

気になる運賃は?

60000形MSEがお洒落なのはわかったかと思いますが、気になるのはそのお値段。

高級感漂う車内の様子から、高いのではないかと思われがちですが…実は拍子抜けするほど安いのです。

新宿-小田原

JR 1,520円
小田急 900円(ロマンスカー1,810円)

新宿-海老名

相鉄JR直通 890円
小田急 510円(ロマンスカー1,080円)

比べてみると分かりますが、小田急なら他社線の普通運賃にちょっと足すだけで豪華な特急列車に乗れてしまいます。

JRも悪くはないのですが、運賃では全く勝負になっていませんね。国鉄時代の借金と地方の赤字ローカル線を抱えているので、どうしても高くなってしまうのでしょう。

※新宿-御殿場間のふじさん号の運賃は、小田急の運賃にJRの運賃も加算されるので2,860円と割高になります。地下鉄直通のロマンスカーも東京メトロの運賃が加算されるのでやや割高です。

運賃の詳細は小田急電鉄公式サイト

車窓風景

最後に、新宿出発から多摩川橋梁までの車窓風景も撮りましたので良かったらご覧ください。2018年に開通した複々線区間は4:50から。

前の人のコーヒーが微動だにしないので、いかに揺れないかが分かると思います。

運賃にたった数百円プラスするだけで、この快適さが約束されるロマンスカーはやはり偉大です。

この記事を書いた人

『TRANS JOURNAL』編集者なり。神奈川県出身。京都外国語大学外国語学部卒。在学中に上海師範大学に留学。卒業後は製紙会社などに勤務。翻訳もたまに。ここでは興味の赴くままに、イギリス帝国や中国に関する記事を執筆。