香港から1時間の文化都市 中国広州のおすすめ観光スポット8選

中国第三の都市で、1,400万の人口を擁する広州市。観光地としては地味で、北京のような壮大な名所旧跡こそありませんが、今も息づく庶民文化は日本人にも馴染みやすいのではないでしょうか。

広州を楽しむコツは、街の文化や空気そのものを肌で感じること。掘ればきりがない広州の魅力ですが、まずは以下の観光地から訪れると良いでしょう。

陳氏書院

別名「陳家祠」とも呼ばれる陳氏書院は、陳氏の祖先を祀るため、陳性の人びとの寄付によって建立された祭祀施設です。嶺南建築と呼ばれる広東一帯の伝統様式で建てられており、一歩足を踏み込めばそこは清朝末期の広東世界。そして院内各所には西遊記がモチーフとされる精緻で見事な彫刻が施されていて、思わず圧倒されてしまいます。美しい伝統工芸品や庭を見ることもできるので、中国の文化に触れたいという方はまずはここから観光することをおすすめします。

アクセス:地下鉄「陈家祠」駅徒歩1分

沙面島

沙面島は広州市を流れる珠江に造られた人工島。もともとイギリスとフランスが居留地のために珠江を埋め立てたのが始まりで、1862年に完成しました。当時は島の西部をイギリスが、東部をフランスが租界に設定し、多くの西洋建築が今に残されています。おすすめは島内中心部に位置する洋館のスターバックス。ガジュマルの木漏れ日を感じつつ、コーヒーを一杯なんていかがでしょう。

アクセス:地下鉄「黄沙」駅徒歩4分

追記:広州が地元の方よりご意見を頂きました。園内の蘭桂坊では本場の飲茶と広東料理が楽しめるようです。是非お立ち寄りください。

渡し舟

沙面島を見学したら、渡し舟で珠江の対岸に渡ってみましょう。広州は珠江を中心とする水の街として栄えた歴史があり、その名残でいくつかの水上航路が今でも運行されています。渡し舟を利用するのは基本的に地元の市民のみで、現地のディープな雰囲気を気軽に味わえるのでおすすめです。船はピストン運行で、ほぼ待つことなく乗船できます。対岸の芳村では、河岸の公園を散策しながら珠江の景色を楽しめます。

アクセス:地下鉄「黄沙」駅より船着き場へ徒歩4分

沙園西華市場

広州市の西に位置する巨大な食品マーケットです。中国全土から新鮮な生鮮食品が集結し、問屋価格で買い求めることができます。その規模感や食材の豊富さたるや凄まじく、一歩足を踏み込めば広州の食文化の豊かさをまざまざと見せつけられることになります。また、市場ながらQRコード決済に対応しているので、スマホ片手に果物の食べ歩きもできます。衛生状態が中国の他の市場より断然良いので、日本人でも比較的安心して買い物できます。

アクセス:地下鉄「沙園」駅徒歩8分

文明路・大南路

この付近は広州の旧市街で、民国時代の建物が多く残るエリアです。通りの歩道は華南特有のアーケード街になっていて、ご当地グルメを楽しむことができます。地元では椰子の実を丸々使った薬膳スープなどが有名。旧市街の庶民的なエリアなのでやや人の気性が荒いですが、決して悪態をついているわけではありません。細かいことは気にせず、街歩きを楽しみましょう。

アクセス:地下鉄「农讲所」駅徒歩7分

芳村茶葉市場

広州における茶葉の流通拠点です。広大な敷地にはプアール茶や鉄観音などの中国茶を扱う問屋がひしめいていて、良質な茶葉を安価に仕入れることができます。試飲も無料でできるため、中国茶に興味のある人は絶対に訪れるべきスポットです。ただし、基本的に市場の茶葉には値札がついていません。ぼったくりの被害に遭う可能性もあるので、できれば現地に詳しい人と同行しましょう。

アクセス:地下鉄「芳村」駅徒歩12分

広州タワー

言わずと知れた広州のテレビ塔です。高さは600mで、世界第四位。設計を担当したのは英国アラップ社で、形状的には神戸ポートタワーと同様の造りになっています。晴れた日の展望台からは珠江沿いに広がる広州の街並みが一望でき、その緑の多さに驚くことでしょう。おすすめは天河方面のビルのライトアップが始まるトワイライトの時間。中国らしい華やかな夜景を楽しむことができます。また、広州の「広」の字を模したタワーのロゴが秀逸。

アクセス:地下鉄「広州塔」駅徒歩すぐ

飲茶

広州は飲茶発祥の地。街中には至る所に「茶楼」と呼ばれる飲茶のお店が存在し、今も地元密着型の営業を続けています。飲茶の魅力は何といっても格式ばらないところ。肩肘を張らずに、自分の好きなようにお茶と伝心を楽しめます。初めてでも緊張する必要は全くありません。人数も自由で、一人でゆったりするのが好きな人も居れば、友人とお喋りしながら午後の時間を楽しむ人も居ます。もし予算が許すならば、「広州酒家」「冸溪酒家」「北園酒家」などの老舗茶楼に足を運ぶとよいでしょう。もっと気軽に体験したい場合は「点都徳」などのチェーン店もおすすめです。

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この記事を書いた人

『TRANS JOURNAL』編集者。神奈川県出身。京都外国語大学外国語学部卒。在学中に中国・上海師範大学に留学。卒業後は製紙会社などに勤務。なお、ここでの専門はイギリス。パンと白米があまり好きではなく、2020年にじゃがいもを主食とする生活を目指すも挫折する。