東京湾/三浦半島・横須賀うみかぜ公園の投げ釣り 春の乗っ込みカレイ開幕編

パックフィッシャー、それは、一本のモバイルロッドに全てを託した至高の釣り人。愛用のトラギアを片手に、日本全国、いや世界を釣って回ります。目指すはモバイルロッドの釣り図鑑?身近な水辺で繰り広げられる、ポケモンGOさながらの冒険をお楽しみください。

幻の東京湾産マコガレイを求めて

そろそろカレイのシーズンですよね。関東近郊のカレイ釣りスポットといえば間違いなく東京湾。

と、いうわけで上州屋横須賀中央店のブログを偵察してみると、なんとうみかぜ公園ではマコガレイの40cm近い個体が連日上がっているようで、東京湾もいよいよ2020年のカレイシーズン開幕となった模様です。

しかし!

いくらシーズン開幕とはいえ、東京湾のカレイはもはや幻同然の釣りもの。

乱獲が原因なのか、温暖化による水温上昇が原因なのかは定かではありませんが、東京湾でカレイを釣るのはトリプルアクセル三回転ジャンプを諏訪湖の氷上でキメるくらい難しくなってしまいました。

それにカレイ釣りでは竿を3本以上出し、投点を分けてどっしり待ち構えるのが一般的。

釣り界の佐々木小次郎と目され、短刀一本で全ての魚種を迎え撃つ僕にとってはやや手厳しい相手なのです。

例え丸一日猿島を前に陣を構えていたとしても、ヒトデが釣れ、フグにエサをかじられ終わるというのが目に見えています。

つまり、やめておいたほうが時間もお金も無駄にならずに済むというわけです。

しかし!

「ほら、ドフトエフスキーが賭博について書いたものがあったろう?あれと同じだよ。つまりさ、可能性がまわりに満ちているときに、それをやりすごして通りすぎるというのは大変にむずかしいことなんだ。それ、わかるか?」

「日が昇る、カレイが浅場に出てきてそのへんをうろうろしてゴカイを食べたりしている。カレイたちは何かを求めていて、俺はその何かをカレイたちに与えることができるんだ。」

「それは本当に簡単なことなんだよ。水道の蛇口をひねって水を飲むのと同じくらい簡単なことなんだ。そんなのあっという間に落とせるし、向こうだってそれを待っているのさ。それが可能性というものだよ。」

「そういう可能性が目の前に転がっていて、それをみすみすやり過ごせるか?自分に能力があって、その能力を発揮できる場があって、お前は黙って通り過ぎるかい?」

ということで途中平塚のかめやでアオイソメをしこたま購入し、一路うみかぜ公園へ。

3月6日 横須賀うみかぜ公園 中潮
干潮 09:03 21:11
満潮 03:38 13:55

12:32 (GMT+9)

駐車場から釣りができる岸壁に出ると、平日にもかかわらずカレイ狙いの長竿がびっしりと並んでいました。

地元の常連さんなのか、それともリモートワークをさぼっているのか。

潮通しの良い駐車場右手のポイントは既に埋めつくされていたので、隙間を見つけて仕方なく左手のポイントに入ります。

あー、横須賀と言えどやっぱり東京湾。海が汚いですねー。

バケツに海水を汲むと、水がうっすら黄色くにごっています。おまけにクラゲの幼生がびっしりw

12:44 (GMT+9)

普段は水の綺麗な相模湾や駿河湾で釣りをしているので、あまりの水質の悪さに面食らってしましました。

いや、でもだからこそ東京湾は魚影が濃いのでしょう。プランクトンが豊富なので、冬でも水温の割によい魚が釣れたりします。

豊富なエサを食べてでっぷり座布団サイズに育ったカレイ達が、この海には潜んでいるのです。

12:58 (GMT+9)

そしてここのカレイは何故か近投でもよく釣れるんですよね。

なのでコンパクトロッドでも釣果を望めないわけではないのですが、問題は常連諸氏の投げ分け戦略(遠投・中投・近投)にコンパクトロッド一本でどう立ち向かうか。

最初は近投のみの置き竿戦略を考えましたが、僕の売りはやはりコンパクトロッドを駆使した機動性なので5分おきに遠中近を投げ分けることに。発想が単純w

13:06 (GMT+9)

しかしここで問題が。混んでいたので仕方なしに入ったこのポイント、実は底が石になっているようで、根掛かりこそ少ないもののカレイはあまり期待できないのではないかという疑念が生じてきました。

そこでうみかぜ公園のポイント情報を調べてみると、日陰になるショッピングモールの裏手から堤防のある最奥にかけてが砂地になっているようで、そこでも十分カレイの釣果を望めるとのこと。

14:06 (GMT+9)

偵察に行くと、奥のポイントが丁度空いていたのでそこに入ることにしました。途中ショッピングモール裏では30cmほどのカレイが一枚バッカンに。俄然やる気。

太いアオイソメを丸々一匹ハリに掛け、再び遠中近を探ります。すると近投でビビっと。

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14:18 (GMT+9)

12月に伊東港で散々釣ったメゴチです。このおちょぼ口で丸々太ったアオイソメを丸のみにしていました。

普通このサイズだと太いアオイソメを嫌うんですけどね。潮の濁った東京湾ではジャリメよりもアオイソメのほうが食うと言われていますが、こういうことなのでしょうか。

ならばもっと豪快にと、アオイソメ、江の浦で余った生オキアミ、平塚で余ったジャリメの塩漬けの豪華三点盛りを惜しまず投入することに。

14:39 (GMT+9)

このサイト、写真を綺麗に撮影しているためか女性からの評判も中々良かったのですが、こんな写真を載せた日にはもうおしまい。まるで岸壁を覗き込んだ時のタカベの群れのように、皆一目散に去ってゆくことでしょう。

でもいいんです。僕は別に女心を掴みたくてやっているわけではないのです。カレイ心さえ掴めればそれでいいのです。

房掛け一投目。穂先に神経を集中。フカセで鍛えた強靭な目力を以て凝視。

14:43 (GMT+9)

すると1分後に穂先がお辞儀。カレイは食い込ませなければすっぽ抜けてしまうので、暫く待つと再び穂先が引き込まれます。

アワセ!

・・・・軽い。残念ながらエサだけ持っていかれてしまいました。しかし大きな魚信に期待は高まります。

続けて二投目。同じく穂先を見つめていると、再び魚信が。今度はすかさず合わせると何かが乗った。

けっこう重いです。グングン引いている。そして頭を振っている。この弾むような肉感、まさか貴方は。。

14:48 (GMT+9)

おはようございます。正体は丸々太った#45 ショウサイフグ同志。

乗った瞬間からの、ドッドッドッという独特なリズムですぐにフグだとわかりましたね。

このクサフグの親玉のようなショウサイフグ、実は日本近海で伝統的に食用とされてきた歴史があります。

「あら何ともなや きのふは過て ふくと汁」

という松尾芭蕉の歌に出てくるフグは、実はこのショウサイフグなのではないかと言われています。

市場魚介類図鑑にも非常に美味とあるので、食べてみようかなという誘惑にも駆られましたが、キタマクラと違い毒強めとのことなのでチキッてリリースしてしまいました。捌いてくれる知り合いの調理師が居ればなぁ。

17:24 (GMT+9)

その後、日没まで粘るもアタリなく、2020年のカレイ始めは予想通りの敗退となりました。

では。

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東伊豆/片瀬・白田堤防の投げ釣り 夜のアナゴ編

この記事を書いた人

パックフィッシャー、それは、一本のモバイルロッドに全てを託した至高の釣り人。三浦、湘南、伊豆、沼津をフィールドに、コンパクトな釣りを綴っています。